経営者の皆様
経営トップのコミットメントの絶対的重要性
社長の強い意志がなければ、全ての対策が無意味になる
職場のハラスメントをなくすために最も重要なのは、社長自身の本気度です。
社長が「自社の職場から絶対にハラスメントをなくす」という強い決意を持ち、それを会社全体に明確に伝えなければ、どんな研修や制度を導入しても意味がありません。
職場のハラスメント防止の専門家からの率直なメッセージ
正直に申し上げます。社長がハラスメント防止に本気で取り組む気がないなら、私たち専門家がどれだけ頑張っても結果は出ません。
現場の社員がどれほど「職場のハラスメントをなくしたい」と願っていても、トップがやる気を見せなければ、組織は変わりません。そのような状況では、私たちもお仕事をお引き受けできません。
なぜこれほど厳しいことを言うのか
私たちの仕事は、職場からハラスメントを実際になくすことです。それが私たちの使命であり、やりがいです。
しかし、成果が期待できない状況でお仕事をお受けするのは、お客様にとっても私たちにとっても時間とお金の無駄になってしまいます。
つまり
- 社長の本気度 = ハラスメント防止の成功率に強く影響する
- 社長が本気でなければ = 専門家でも解決不可能
- 結果が出せない仕事 = お引き受けしません
社長がハラスメント防止に真剣に取り組む覚悟があるかどうか。それが職場のハラスメント防止の成否に強く影響するのです。
毅然とした処分姿勢の重要性
職場のハラスメント防止の対応をする中で、経営トップの姿勢が揺らぎやすいのは、会社の重要ポジションにある人材がハラスメントを行った際の対応です。
地位や貢献度に関係なく、毅然とした処分を行う姿勢こそが、組織全体に「ハラスメントは絶対に許されない」という明確なメッセージを伝えます。
逆に、重要人物への処分を躊躇する姿勢は、短期的な会社の都合を優先することが組織全体にハラスメントを容認するシグナルを送ることになり、中長期的な視点では企業衰退への道をたどることになります。
重要人物であっても厳正に処分する覚悟が必要
経営者が最も躊躇するのは、「会社にとって重要な人物」がハラスメントをした時です。
- 売上トップの営業部長
- 技術力抜群のエンジニア
- 長年会社を支えてきたベテラン管理職
- 重要な取引先との関係が深い幹部
こうした人物がハラスメントをした時、「処分が気に入らなくて辞めてしまったら会社が困る...」と考えるのは当然です。しかし、ここで迷ってはいけません。
地位や貢献度は関係なく、厳正に処分しなければなりません。
どれほど会社に貢献している人でも、ハラスメントをしたら厳正に処分する。この姿勢こそが、全社員に心理的安全性をもたらすのです。
重要人物に甘い処分は
逆に、重要な人だからといって軽い注意だけに留めたり、被害者の方にも責任があるとして重要人物に甘い処分をすると、瞬く間に社内に不信感が広がります。
確かに重要人物を処分すれば、一時的に
- 売上が下がるかもしれません
- 業務に支障が出るかもしれません
- 取引先が困るかもしれません
しかし、甘い処分をすることで
- 正義感の強い社員が辞めていく
- ハラスメントがエスカレートする
- ハラスメント体質の社員が残っていく
経営者の躊躇や妥協によって、ハラスメント防止の全ての取り組みが無駄になり、中長期的視点で視れば会社が衰退する原因になります。
実際に私たちは、強いハラスメント癖がある人が、処分に抵抗して退職をほのめかすことを何度も経験しています。このようなケースの場合、経営者が躊躇して厳正に処分しないと会社の処分に不満を持った社員やパート・アルバイトが次々と退職していきます。
そして、ハラスメントの行為者は厳正な処分を受けていないので、またハラスメントを繰り返すといったケースは決して珍しくありません。
健全な人材を定着させて育成するために
ハラスメント癖がある人に気を使い、健全な価値観を持った社員が退職していくことは企業にとって大きな損失です。ハラスメント癖がある人の周囲は、やはり離職率が高いことが多いため、将来大きく成長する人材を失っている可能性があります。
社長が、従業員が生き生きと働ける会社にしたいと思っているのであれば、ハラスメントの行為者を厳正に処分するというブレない姿勢が必要です。
「厳正な処分=解雇」ではない
職場のハラスメントに対する厳正な処分は、必ずしも解雇を意味するものではありません。企業には段階的で適切な処分制度があり、事案の重大性や悪質性、再発防止の観点から総合的に判断されます。
具体的な処分には、戒告・譴責による注意喚起、減給による経済的制裁、出勤停止による反省期間の確保、降格・降職による責任の明確化、配置転換による環境改善などがあります。また、ハラスメント防止研修の受講義務、被害者への謝罪、誓約書の提出なども併せて実施されることがあります。
重要なのは、処分の目的が単なる懲罰ではなく、本人の行動改善と職場環境の正常化にあることです。
初回の軽微な事案であれば教育的指導を重視し、悪質な場合や継続的な場合は厳しい処分を下すことになります。
ただし、業務に重大な支障をきたす場合や改善の見込みがないと判断した場合は、最終的に解雇という選択肢もあり得ます。