中小企業が職場のハラスメント防止に本気で取り組むべき理由
なぜ、中小企業こそ職場のハラスメント防止に本気で取り組むべきなのか?
職場のハラスメント対策への対応について、中小企業は大企業に後れを取っています。
ここでは、そのリスクについてデータとともに6つご紹介します。
理由1:たった1人の退職が、会社の成長を妨げる
中小企業では、大企業のように代替人材を簡単に確保することができません。
ハラスメントが原因で優秀な社員が1人辞めただけで、
- 担当していた業務が止まる
- 売上のチャンスを逃す
- 残ったメンバーの負担が急増し、次の退職者が出る(連鎖退職)
- 技術やノウハウの承継が途絶え、事業の土台が揺らぐ
帝国データバンクの調査では、従業員の退職を理由とする倒産が前年比1.6倍に急増しています。
人材の流出は、中小企業にとって経営危機に直結する問題になっています。
理由2:専門の通報窓口がないと、対応が後手に回りやすい
大企業には人事部や法務部などの専門部署があり、ハラスメント対応のマニュアルやノウハウも蓄積されています。弁護士や社労士、ハラスメント対策の専門家とのネットワークを構築している場合も少なくありません。
一方、中小企業では、
- 経営者や幹部が対応にあたることが多く、本業が止まる
- 対応ノウハウがないと、初動を間違えて問題を悪化させてしまう可能性も高い
- 社内の人間関係が近いため、「相談したら行為者に伝わって仕返しされるかもしれない」と社員が不安になり、相談窓口があっても相談できない
といったことが起こりがちです。
労働政策研究・研修機構の調査によれば、中小企業では「事例の蓄積やマンパワーが不足しており、適切な対応ができない」という課題が明らかになっています。
また、相談できない相談窓口よりも「匿名性の通報窓口」の方が有効な理由がここにあります。
理由3:一度ついた「ハラスメント企業」のイメージは、簡単には消えない
今の時代、ハラスメント被害がSNSで瞬時に拡散される時代です。
中小企業は地域密着のビジネスが多く、地元での評判がそのまま売上に影響します。採用の場面でも、口コミサイトやSNSでの評判は応募者にとって大きな判断材料です。
一度「ハラスメント企業」というレッテルを貼られると、
- 取引先からの信頼を失う
- 応募者が減る
といった影響が出ます。ブランド力や資金力で挽回することが難しい中小企業にとって、この風評被害は事業存続の危機に直結します。
理由4:損害賠償が発生したとき、会社の財務が耐えられない
ハラスメントが訴訟に発展すると、次のような費用が発生する可能性があります。
- 慰謝料・治療費などの直接的な損害(数百万円〜数千万円規模)
- 裁判費用・弁護士費用(長引くほど増加)
- 安全配慮義務違反による使用者責任
さらに、ハラスメント対策が遅れてしまったり、適切な対応が出来なかったために被害者が自ら命を絶ってしまった場合、損害賠償額が1億円を超えるケースもあります。
理由5:表面化した時には、大きな損失が発生している
職場のハラスメントが発生すると、表面化する前から職場全体に悪影響が広がります。
- 被害を受けた本人が、心身の不調をきたす
- 周囲の社員も萎縮し、自由な発言や挑戦がしにくくなる
- 職場の雰囲気が悪くなり、チームワークが低下する
- 有能な社員や健全な価値観を持った社員が退職する
こうした生産性の低下はそのまま売上・利益に響きます。経営側がハラスメントの発生に気づいたときには、すでに大きな損失が発生していることも少なくありません。
離職率が高くなり、生産性が低下しているのであれば、早急に手を打つ必要があります。
理由6:採用コストは増大するが、優秀な人材は採用できない
ハラスメント対策が不十分だと、
- 求人を出しても応募が集まらない
- 内定を出しても辞退される
といったことが起こり、採用コストがどんどん膨らみます。
特に若い世代ほど職場環境を重視し、応募前に口コミサイトやSNSで会社を調べます。「ハラスメントに無防備な会社」というイメージは、良い人材との出会いを逃すだけでなく、ハラスメントをする社員がのさばる土壌にもなりかねません。
人材不足が続くこれからの時代、これは会社の存続に関わる大問題です。
まとめ
中小企業においては「職場のハラスメントによるダメージ」が経営に与える影響が大きいということはお分かりいただけたと思います。
適切なハラスメント対策が経営を守り、正しい価値観を持った有能な人材の定着が、中小企業の経営を支える最重要課題です。
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